何か売ってみたい。でも、資格も目立った実績もない。自分が知っていることくらい、誰でも知っているのでは……。販売サイトを眺めても、肝心の「何を売るか」が決まらないことはありませんか。
そんなときは、商品名を考える前に、人から聞かれたことや、自分が工夫して楽になったことを思い出してみてください。そこに、誰かを助ける材料があるかもしれません。
ただし、経験があるだけで売れるとは限りません。ここでは趣味や日常の例を使って、「誰の、どんな困りごとに、何を届けるか」を一つ決めるところまで、一緒に考えます。販売サービスへの登録は、その後で大丈夫です。
「売るものがない」と思ったら、最近聞かれたことを思い出す
「何が得意ですか?」と聞かれると、急に難しく感じますよね。もっと小さな場面から探してみましょう。
- 友人や同僚に、やり方を聞かれたこと
- 以前は失敗していたけれど、今は迷わずできること
- 自分で作った表やメモのおかげで、楽になった作業
たとえば旅行の持ち物を忘れなくなった、家計の記録が続くようになった、料理の写真を撮るときに暗くならなくなった。大きな成功談でなくても、まずは書き出せます。
その中から、実際に困っている人を思い浮かべられるものを一つ選びます。まだ「商品になる」と決めつけず、候補として扱いましょう。
書き出すのは材料集め。次に、その材料で誰の何を助けられるかを考えます。
同じ趣味でも、相手が違えば商品は変わる
写真が好きな人を例にします。「写真を売る」だけでは、何を用意すればよいか分かりません。買う人の使い道から考えると、形が見えてきます。
📷 お店のホームページに使う写真が欲しい人
欲しいのは、自分のお店の雰囲気に合う素材です。写真データと、どんな用途に使えるかという条件を用意する方向になります。好きな写真を集めるだけでなく、使う場面に合っているかが大切です。
🖼 部屋に飾る写真を探している人
こちらは作品として楽しみたい人。プリントの大きさ、紙、飾ったときの印象も選ぶ材料です。同じ写真でも、データを渡す場合とは準備が変わります。
💡 自分の料理をもっと明るく撮りたい人
欲しいのは写真そのものではなく、撮れるようになるための助けです。自分が確かめた窓際での撮り方を、比較写真と短い説明にまとめる、といった教材案が考えられます。
これは商品案の例で、販売実績を示すものではありません。また、素材や作品を売るときは、写っている人・物や利用条件などの確認が別に必要です。
写真以外でも同じです。家計簿が続かない人に、記入欄を絞った表と記入例を渡す。初めて展示会に出る人に、自分が準備で困った点をまとめたチェックリストを渡す。相手が使う場面まで浮かぶと、何を作り、何を省くかを決めやすくなります。
最初の商品は「一つの困りごと」に絞る
経験を全部入れようとすると、作る量が増えるうえ、買う人にも何の役に立つか伝わりにくくなります。
「写真撮影のすべて」より、「自宅の料理写真が暗くなるときの撮り方」。「家計管理の完全講座」より、「毎日の記録が続かない人のための週一回の記入シート」。まずは、ひとつの場面を助ける形を考えてみてください。
ただ短くすればよいわけではありません。記入シートなら記入例、撮り方なら比較写真など、相手が使うために必要な説明は残します。
✏️ 自分の商品案を書いてみる
私は、【誰】が【何に困っている】ときに使う、【何を渡すか】を作る。
例:私は、毎日の家計簿が続かない人が、週末に支出を振り返るための、記入欄を絞った表と記入例を作る。
さらに「今回は含めないこと」も決めます。この例なら、個別の家計相談までは含めない、といった線引きです。
複数の案で迷ったら、困っている人に話を聞けるか、自分で内容を確かめられるか、見本を無理なく作れるかで選びます。今の自分に説明できないことまで、商品に入れる必要はありません。
全部作る前に、見本を使ってもらう
商品案ができても、すぐに何十ページも書き始めなくて大丈夫です。表なら記入欄と記入例、教材なら困りごと一つに答える部分を作って、使ってほしい人に見せてみます。
「これ、いいと思う?」だけだと、相手も気を遣います。先に「今はどうしていますか」「最後に困ったのはどんなときですか」と聞く方が、必要なものを考える手がかりになります。
見本を使ってもらえたら、「どこで手が止まりましたか」「今のやり方と比べて、何が楽になりましたか」と確かめます。答えてもらえない場合も追いかけすぎず、別の人や別の案を考えましょう。
無料で使うことと、お金を払って買うことは別です。感想は改善の材料にし、販売するときは内容・価格・届け方を示したうえで、購入されるかを確かめます。
反応が薄ければ、価格を下げる前に、困りごとが本当にあるか、見本だけで使い方が分かるかを見直します。今は商品にしない、という判断もできます。作り込んでから困るより、見本の段階で気づけた方が負担は小さくなります。
商品が決まってから、売る場所を選ぶ
ここまで考えると、初めて販売サービスを選ぶ理由ができます。名前を知っているからではなく、「何をどう渡したいか」で選びましょう。
文章として読んでもらいたいなら。 有料記事を販売できるサービスが候補です。実際の入力画面は、Tipsで経験やノウハウを有料記事にする手順で確認できます。Tips(ティップス)は、記事に価格を付けて販売できるサービスです。
表・素材・PDFなどのファイルを渡したいなら。 商品をダウンロードしてもらう売り方を考えます。PDFは、文章や図をファイルにまとめる形式の一つです。ファイルを販売する場所の比較で、対応する商品や渡し方を確認してください。
順番に学ぶ教材やレッスンにしたいなら。 オンライン講座の教材・配信・支払い受付の考え方へ進めます。最初から動画講座や自動化の仕組みが必要とは限りません。
価格に迷ったら、手数料と質問対応を含めた値段の決め方へ。作る時間だけでなく、売れた後に残る金額と対応範囲を整理できます。販売前の確認として、返品・返金のルールを決める記事も用意しています。
今日は、ショップを作らずにここまででいい
メモに「誰が、何に困っていて、何を渡すか」を書く。その人に聞きたいことを一つ添える。まだ商品がないなら、まずはここから始めてみませんか。
既に似た商品があっても、すぐに諦めたり、反対にそのまま真似したりする必要はありません。自分が説明できる範囲と、目の前の人が困っている場面を照らし合わせてみてください。
他の人の教材を買った経験と、その内容を自分の商品として売ることも別です。自分の実践を材料にし、引用や素材の利用条件は確認しましょう。AIで作成を手伝ってもらう場合は、AIで作った教材を販売する前の確認項目も参考になります。
てでぃのひとこと
最初から「講座を作ろう」と言われても、何を書けばいいか迷いますよね。まずは、誰かに聞かれて説明したことを一つ。商品になるかを考えるのは、その話を必要としている人がいるか確かめてからでいいと思います。
