Substackの手数料は10%だけじゃない|有料購読を始める前の料金・課金チェック

Substackで記事を書き始めると、「読者が増えたら月額制にしてみたい」と考えたくなります。手数料が10%なら、1,000円の購読料から900円が残る。そう計算して価格を決めると、実際の受取額とはずれます。

10%はSubstackの取り分だけです。Stripe側の手数料は別にかかります。さらに、無料のうちに受け付けたPledgesが、有料化と同時に課金へ移ることもあります。

有料購読を始めたい書き手に向けて、価格を決めるときに引いておく費用と、決済を有効にする前に確認したい設定をまとめました。

2026年9月6日確認。筆者が実際に行ったのは無料での開設と設定確認までです。Stripe接続後の課金・入金・返金は未実施のため、その部分は公式ヘルプに基づきます。この記事はWeb経由の有料購読を中心に扱います。

Substackの手数料は、10%で計算を止めない

無料で記事を公開し、無料購読者に届ける段階では、Substackの出版利用料はかかりません。有料購読では取引ごとに10%が差し引かれ、Stripeの決済手数料と継続課金のBilling手数料も発生します。Substack公式の料金説明で、両社の費用が分かれていることを確認できます。

たとえば、手数料を計算する対象額が1,000円なら、Substackの10%は100円。残る900円は、まだStripeの費用を引く前の金額です。

Substackの10%だけを差し引いた途中計算
計算対象額Substack分差し引き後
1,000円100円900円
3,000円300円2,700円
10,000円1,000円9,000円

この表は入金額・利益の一覧ではありません。計算の仕組みを示した例で、Stripe手数料、通貨換算、税、返金などは含めていません。表の金額がそのまま購読価格に設定できるという意味でもありません。

日本のアカウントに、ドル建ての料率をそのまま使わない

Substackの英語ヘルプには、カード決済「2.9%+0.30米ドル」、継続課金「0.7%」という案内があります。一方、Stripeの日本向け標準料金は、カード決済成功ごとに3.6%、Billingの従量課金は取引額の0.7%です。参照先はStripeの日本向け決済料金とBilling料金です。

ただし、日本の標準料率を足して「Substackなら必ず合計14.3%」と断定することもできません。接続するアカウントの契約や決済条件まで、筆者は確認していないからです。通貨換算が必要な取引などでは、追加費用も確認します。

価格を決める前は適用料率を確認し、販売後は実際の取引明細と照合する。この二段階で見ると、検索で見つけた計算例を自分の入金額だと思い込まずに済みます。

Pledgesは「いいね」の代わりではない

無料で始めたのに、読者へ支払いの案内が出る。ここで戸惑いやすいのが、Pledges(プレッジ)です。読者が将来の有料購読を約束し、支払い情報を登録する仕組みで、その時点では請求されません。しかし、運営者が決済設定を済ませて有料購読を有効にすると、有料の継続購読へ切り替わります。無料購読者全員が課金される、という話ではありません。

筆者の設定では、まだ有料化しないためプレッジをオフにしました。

Substackのプレッジ設定。「読者に購読のプレッジを許可する」をオフにした実画面
無料開設時に確認した実画面。灰色のスイッチがオフの状態です。タップすると拡大できます。

すでにプレッジがある人は、受付をオフにするだけで過去の約束も消えるとは考えないでください。有料化前に、受け付けた人数・金額と、切り替え時の設定を確認します。

公式説明では、新しい価格がプレッジ額より低ければ低い価格へ移行します。高い場合は、以前のプレッジ額で受け入れるかなどの設定が関係し、値上げ後の価格へ無条件に移るわけではありません。詳細はPledgesの公式ヘルプを確認してください。

安く始めて、あとから全員値上げすればいい?

最初は申し込んでもらいやすい価格にしたい。その考え自体は自然ですが、「手間が増えたら全員の料金を上げよう」という前提には注意が必要です。

Substackで購読価格を変更しても、新しい価格が適用されるのは原則として新規の有料購読者です。既存の購読者は、解約して再購読しない限り、もとの料金で更新されます。既存購読者の価格変更を希望する場合は、人間のサポート担当へ相談するよう案内されています。公式:公開後の価格変更

だから、最初の価格で何か月か続いても無理がない内容にします。たとえば「毎日更新」ではなく、「月に2本、実際に試した方法と失敗した点を届ける」。これは機能上の決まりではなく、筆者からの設計例です。本数を増やす前に、読者が何を判断できるようになるのかを一つ決めておく方が、約束する内容をはっきりさせられます。

月額と年額では、受け取るタイミングも、先の期間まで届ける責任も違います。年額の売上を、今月使い切ってよいお金として扱わないようにしたいところです。

Stripeに入力する連絡先は、読者に見えることがある

ニックネームで書いているから、決済も同じ名前だけで済むとは限りません。Substackの公式ヘルプは、Stripeへ入力したサポート情報が、明細・請求書・領収書に表示される可能性を案内しています。領収書や請求書には住所も必要とされています。公式:電話番号・メールアドレスなどの表示

個人用のメールや電話番号を入力する前に、問い合わせを受けられる事業用の連絡先を用意し、どこに表示されるのかを確認します。本人確認用の登録と、購入者に見せる情報は、分けて確認してください。

画面上で非表示にできる項目があっても、それだけで必要な販売者表示を省略できるわけではありません。自分の販売形態に必要な表示が分からなければ、決済を有効にする前に確認しておきます。

解約と返金は、同じ操作ではない

読者が通常の有料購読を解約しても、支払った期間の終わりまでは有料特典を利用でき、その後に無料購読へ戻るのが基本です。解約した瞬間に、支払済みの料金が全額返るという意味ではありません。公式:読者側の解約

運営者が返金する場合は、Substackの購読者管理画面から手続きするよう案内されています。Stripe側から直接返金するのではなく、まず公式の解約・返金手順を確認します。

Substackには独自の返金方針もあります。支払いから7日以内の申請には例外条件があり、刊行物が長期間更新されていない場合や決済エラーについても定められています。「一切返金しない」と自分で書くだけで終わらせず、最新の返金方針と矛盾しない案内にしてください。App Store経由の購読は、返金の扱いが別です。

「書けなくなったら更新をやめればいい」でもありません。休刊が必要になったときは、課金を一時停止する機能を確認できます。公式説明では、一時停止しても既存購読者へ自動通知されないため、休む理由や再開の見通しは別途伝える必要があります。

有料化のボタンを押す前に、紙に書いておくこと

設定自体は、Stripeを接続し、購読プランの価格を決め、決済を有効にする流れです。ただ、公式の設定手順を進める前に、次の点を決めておくと迷いが減ります。

  • 何を届けるか:無料記事との違い、配信頻度、読者が持ち帰れるもの。
  • いくら残す必要があるか:SubstackとStripeの費用を引き、制作時間や返金への備えも考える。
  • 誰に、いつ課金されるか:既存のPledgesと購読価格、更新条件。
  • 困ったときにどうするか:問い合わせ先、解約・返金の案内、配信を休む場合の対応。

「有料読者が10人いれば、これだけ入る」という計算だけでなく、10人のために毎月どこまで続けられるかも見ます。手数料を払ってでも継続配信の仕組みを使いたいなら、Substackを選ぶ理由があります。完成した教材を一度売りたいだけなら、買い切り型の販売サービスも比較対象です。

料金・機能・規約は変更されることがあります。具体的な手数料と表示事項は、自分のアカウントの条件と公式の最新案内で確認してください。本文の計算例は収益を保証するものではありません。

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